少し前にゲームニュースで見つけた記事で、まずゲームのタイトルと内容からしてめっちゃおもしろそうなのもあったんだけど、完成までの経緯が書かれたインタビュー内容にすごく感動しちゃったので紹介します。
1000RT:日本の植民地になった「昭和66年」のアメリカでゾンビと戦う中国産ゲーム『昭和米国物語』開発者インタビューhttps://t.co/vIEUI7g5fa
— 電ファミニコゲーマー (@denfaminicogame) April 26, 2022
全ての描写には意味がある、中国のスタジオにしか作れない“私たちの昭和”とは pic.twitter.com/iBh0nkBcns
本作のゲームは中国のNEKCOM Entertainmentが開発元のPS5/PS4/PC向けアクションRPG『昭和米国物語』。
日本がアメリカを文化的植民地とした架空の昭和66年が舞台の世界設定からしても前代未聞の衝撃作。
至る所にある看板には日本語があふれているけれど、本国ではちょっと違和感もある?中には懐かしいビデオテープや竹馬、作中の出演者の紹介に昭和時代のドラマや映画を感じさせる手法にはある種の感動を覚えます。
本作はアクションRPGとのことで、プレイヤーの主人公が使う武器も多彩で銃も使えたりとめっちゃ楽しそう!メタルギアライジングを思い出しそうなアクション。
開発者さんのインタビューによると開発チームは全員昭和生まれ。内容から日本への愛がめちゃめちゃ大きくて完成までの道のりにも感動してしまいました。
開発元のNEKCOM Entertainment(NEKCOM)はインディーゲームの開発スタジオということで予算にもマンパワーにも制限がある中、企画に2年、感染症で1年、開発に2年と合計5年をかけてやっと完成した経緯にも感動。
当初のコンセプトは「私たちの記憶の中に残された昭和の思い出を再現しよう」というものだったそうで、1980年代から90年代にかけて日本からの文化が中国にも一世を風靡しスタッフたちも日本で暮らした経験はなくとも、その影響を多大に受けた感覚が今作のゲームに込められているのが伝わってくるほど。
SF要素を排除して当時の懐かしい感覚をできるだけ素直に伝えるという方針が一番よかったのではないかと私も感じました。サイバーパンク的なのは既にたくさんありますからね。
当時は中島みゆきの曲が大人気だったそうで、今作の主題歌でもある大事MANブラザーズバンドの『それが大事』も日本のみならずアジア全体でも人気を博したのは初めて知りました。
のちにこの曲は中国のメジャー歌手からもカバー版が出されたとのこと。
主題歌として採用された理由もなかなか熱いもので、開発者のLuo氏がロックダウン中に外に出られず鬱々としたときにランダムにかけた音楽を再生していて偶然にかかった曲が『それが大事』。
それをきっかけに忘れかけていた思い出がよみがえり、また企画の行く末に悩んでいた心境と重なって曲中の『簡単にあきらめてはいけないこと』のメッセージから「これだ!」と天啓を得たかのような衝撃だったそうで、言葉もとい歌の力ってすごいなと改めて考えさせられました。
そういえば今日、別の曲だけれどNHKのラジオから『愛は勝つ』の曲が流れていてちょっと嬉しくなっちゃいました。どちらも心に直球で投げかけられる歌で大好き。
『それが大事』の歌も一部分だけ全然忘れてなくて、「負けないこと投げ出さないこと逃げ出さないこと信じぬくこと」だめになりそうな時それが一番大事・・という歌詞はずっと覚えているんだよね。
不思議なくらいだけどそれだけ忘れられない大事な言葉なんでしょう。簡単なようで難しい。それでも大事なこと。
本作『昭和米国物語』は社運をかけた作品とのことでこのまま膠着状態が続けば会社を潰してしまうかもしれない不安がありつつも、「面白い作品を世の中に送り届けたい」という信念だけは失わないようにしようと、この曲はまさに”それが大事”なのだと気持ちを奮い立たせてくれた救世主ともなったこの歌。こんな感動物語があったなんて。
ライセンス許可も意外にもあっさり通ったそうで作品への情熱が届いたのかもしれないとLuo氏は語っていました。
確かにゲームの内容から見て海外から見た日本の雰囲気だけど、そこには愛を感じられるところがたくさんあって単純に好きではないと思わせる空気がPVを見るだけでも感じ取れました。
なにより主題歌が『それが大事』でしょう。完成までのエピソードが詰まった開発にとっても大事な歌という。
80~90年代の日本とアメリカの関係もよく知らなかったので今回のインタビューで初めて知ったところもあり。
当時は日本がアメリカにとって経済的な脅威だったのもあまり知らなくて、バブル崩壊のあと日本とアメリカ両国で過去に起きた出来事が忘れられつつあることに創作のテーマから開発者からこれは非常にもったいないと。
崩壊が起きず日本の好景気が続いたifを描くこと、昭和66年という架空の時代を描こうとしたのも「あのイケイケだったころの日本の情熱を呼び起こしたい」という開発者たちの想いが込められているとのこと。
本作を通じて「昔を思い出して自信を持ち直してほしい」という激励のメッセージを開発者さんたちが日本に届けたいと願っていることに記事を読んだ私もなんだか嬉しくなりました。
日本だとこういうゲームって作れないだろうし制約とかがありそうだからこそ作れるのだろうなと記事を読んで納得。こういうのなかなかないよね(;^_^A
ゲーム自体にもゲームの面白さは見た目だけによるものではなく、「プレイそのものがいかに楽しめるかが重要だ」という本質に今一度立ち返り、全員が気楽に楽しめる方向性を目指しているところにもプレイヤーへの想いが感じられました。
なんと本作はボイス音声があえて日本語のみで、日本を主軸としている世界観を踏襲しているところにもこだわりが。
作中に登場する「例のプール」とされる開発にもエピソードがあるようで自社の女性アートディレクターにモデル素材を渡した話にも渡された本人にしてみたら憤慨しても仕方ないかなと(;^_^A
わたしが最初に見たというか知ったのは「アリス・ギア・アイギス」のイベントだったかな。
ほかのプレイヤーさんたちが「例のプール」って言ってたからなんかいかがわしいものなんだろうなと笑
武器の種類にもゲーム史上いまだ類を見ないような多くのバリエーションを用意しているとのことで中にはモザイクをかけなければならない物もあるそうです笑
たぶん別のゲームの著作権にひっかかりそうな武器とか?ありそう笑
なんか「龍が如く」にも似ている気がするような・・昭和時代にあった懐かしい物もたくさん出てくるそうなのでそれも気になるというか。
単なる観賞用ではなくキャラクターを強化したりスキルを解放する役割も与えられていて、誰もが驚くような仕掛けやオマージュに満ちているのだそう。
リリースは2022年の末か次の年あたりを考えているそうで、納得できるクオリティ目指して焦らず進めていくとのこと。
衝撃的なタイトルとPVの内容に度肝を抜かれた本作『昭和米国物語』。開発エピソードにも感動してしまって私も元気をもらいました。